特殊施工技術
私たちのフィールドは、都市内高速道路のジャンクションや幹線道路・鉄道の上空や急峻な山あい、自然豊かな河川上とまさに千差万別です。
そこでは、人々の暮らしに与える影響や自然環境に与える影響を出来るだけ少なくし、安全・安心に工事を進める必要があります。
私たちは様々な工法を駆使し、これら社会的要請に応えるべく、設計・施工計画・現地が一貫して特殊施工技術の研鑽に努めてきました。
また、これら特殊施工技術を可能とするため、ジャッキメーカーとの共同開発により特殊機材の開発にも注力しています。
特殊施工技術
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送り出し架設
鉄道上や重交通道路上などベント設備を設置する事が難しい場合に採用される事がある架設工法です。
橋梁長手方向の後方に作業ヤードが確保できる場合、橋桁ブロックをヤードにて地組み立てし、順次前方へ送り出して橋桁を架設する方法です。
当社では、ジャッキメーカーとの永年にわたる共同開発を進めており、第二東名高速道路の有松高架橋においては、それまで1日あたり20m程度が標準とされた送り出し架設工法にて一晩に120mを超える高速送り出しに挑戦、合計1万トンにもおよぶ橋桁の送り出し架設を成功させました。
更には、拡幅桁対応機能、変断面対応機能、更なる高速送り出しにも挑戦し、新名神高速道路信楽第一橋、第二東名高速道路富士高架橋、広島高速2号線交差工区など数々のエポックメーキングな工事を無事完成させてきました。-
広島高速 2号交差工区 共同開発機材を使用した急速送り出し架設
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広島県 空港大橋左岸側側径間 トンネル内で地組し、送り出し架設
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機材紹介 高速送り出しを可能とした油圧式自走台車
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特殊施工技術 変断面桁の送り出しにも対応の
駆動式シンクロジャッキ
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トラベラークレーン架設
トラベラークレーンとは鋼製橋梁架設用に特別に開発された軽量型クレーンです。
橋桁の上に搭載され工事の進捗に合わせて先端位置に移動し、時には張り出した橋桁の上で作業を行います。
そのためにも汎用クレーンにはない軽量化が求められます。
当社は吊上げ荷重43トン級の大型トラベラークレーンを複数所有するなど、業界トップクラスの保有台数を誇ります。
また、明石海峡大橋補剛桁工事では吊上げ荷重120tという超大型トラベラークレーンを駆使し、世界最大級の吊橋建設にも貢献しました。-
愛媛県 第二青龍橋 桁上にクレーンを設置するベント架設
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北海道開発局 留萌大橋 河川内にベントを設けない張り出し架設
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一括架設
都市部の高速道路ジャンクション工事など、狭あいな作業ヤード・複雑な線形・輻輳する既設吊構造物など制約が厳しい中で周辺環境への影響を最小限にするために、度々採用されるのが一括架設工法です。
架設位置近傍で大ブロック化された橋桁ブロックを超大型のクレーン、油圧式自走台車等の特殊機械を駆使して短時間で据付完了し、道路規制等の影響を最小限度に抑えます。
時間規制に縛られる中での作業となりますので、緻密な設計・計画、現場の指揮・運営に高度な技術力が要求されます。
中でも首都高速YK42・43工区は既設の首都高速道路の近傍での林立する橋脚間に大ブロックを架設するという非常に難易度の高い工事でした。-
首都高速 YK42・43工区 超大型クレーンを使用した箱桁の一括架設
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中日本高速 駒門脚 自走多軸台車を使用した鋼製脚の一括架設
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横取り架設
送り出し架設と同様に、架設位置に直接橋桁を架設できない場合、後方に作業ヤードが確保できない場合に作用される工法です。
架設位置真横に設けた作業ヤードにて橋桁を組み立て、油圧ジャッキ等による推進装置を利用して橋桁を横方向に移動させて架設する工法です。
第二東名高速道路名古屋南ジャンクションLランプ橋工事では、横方向に移動させるだけではなく、橋桁を平面的に回転させる動きも併用した「回転横取り工法」も採用した実績もあります。-
中部地整 飛島大橋 油圧横取り装置による大規模横取り架設
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一般的な施工技術
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ベント併用トラッククレーン架設
ベントと呼ばれる仮支柱を設置し、汎用のクレーン車を使用して橋桁を架設する工法です。鋼桁架設工法の中では最も一般的で広く採用されています。
当社は、各種のベント関連機材を自社保有し、一般的なベントから高さ30mを超えるような特殊なベント、数百トンもの重量を支える重荷重用のベントなど様々なベント設備への対応が可能です。-
関東地整 利根川橋五霞地区 -
岩手県 徳田橋 -
中国地整 馬木高架橋 -
中部地整 東深瀬2号高架橋
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