プロジェクトストーリー

有明筑後川大橋

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04 福岡208号 筑後川橋上部工(P4-P8)工事
有明筑後川大橋

地域性を取り入れながらデザインされた、
伸びやかで美しいシルエットを持つ2連のアーチ橋架橋のプロジェクトです。

OVERVIEW

有明筑後川大橋は、有明海沿岸道路の筑後川上に位置し、2連のアーチで筑後川を跨ぐ、橋長450m、最大支間長170mの長大橋です。水平基調で、緩やかなアーチの曲線形状により、河川を軽やかに渡っている軽快感があり、広々とした周辺景観に調和し、またデ・レイケ導流堤上の橋脚高を低くでき圧迫感を軽減できる“鋼アーチ橋”として施工しています。

KEY POINT
日本初の橋梁形式とデザイン

有明筑後川大橋は直線橋の2連アーチ橋であることから、吊り材の配置を“クロス配置”とし、アーチと吊り材により面として見せることで横への広がりのあるリズム感を創出するとともに、大川市で盛んな「大川組子細工」などの地域性も表現されています。橋梁の色彩は、夕日に美しく染まる“淡い桜色”。業界最先端のコンピュータモデリングなどを取り入れながら、周辺風景と調和した伸びやかなデザインが創出されました。

KEY POINT
送り出し架設工法

約1300トンの重量を持つP5-P6径間の橋けた架設においては、航路の規制・河川環境への影響を最小限とするために、特殊なジャッキを用いて少しずつ橋けたを前方に送出していく、送出し架設工法を採用。送出し架設⼯法は、変形状態や支点反力が刻々と変動するため高難度な架設工法ですが、それらを考慮した解析を行い、リアルタイムで解析結果と実物との整合性をモニタリングすることで、安全かつ高い精度で架設しています。

プロジェクトのキーマン
現場代理人H

このプロジェクトに
かけた想い

「橋屋」としての集大成にしたい
筑後川の架設地点となる現地を初めて訪れた時、風光明媚な風景とこれから架設する橋の完成状況を想像し、改めて「橋屋」としてのやりがいを覚えたことを思い出します。自分の橋屋としての集大成とすべく、何としてもこの工事を「無事故・無災害で完了させたい」との思いで、自分のモットーである「風通しの良い現場運営」を目指すために、客先・JV関係者・地域住民関係者と良好なコミュニケーションを取ることに尽力しました。

当時の苦労

各工程のマイルストンを決め遅延を防止
本工事受注直後に、起点側下部工(P4橋脚)の完成時期が遅れるとの情報を基に発注者より架設工法の変更を相談され、P4~P5径間の送り出し方向の変更と、それに伴う各種計画変更に尽力しました。工期的には契約時からの遅延が許容されない状況であったため、全体工程の各ステップにマイルストンを定め、それを守ることに注力して工程管理を行い、当初立案した工程とおりに遂行することができました。

完成を迎えて

ランドマーク完成に関わった達成感
2連のアーチが筑後川を跨ぐ「有明筑後川大橋」、上流の「筑後川昇開橋」下流の「新田大橋」と新旧3本の橋が並び、同時期に完成した兄弟橋の「有明早津江川大橋」と相まって、有明沿岸道路のランドマーク的な橋梁が完成しました。現地を初めて訪れてから丸3年の工事。今思えばあっという間に過ぎ去った気がしますが、完成した時に地元の方々の喜ぶ声を聞けたことが、何よりのご褒美でした。

プロジェクトのキーマン
監理技術者T

このプロジェクトに
かけた想い

同じ県境の架橋に縁を感じて
入社2~3年目に担当させて頂いた諏訪川橋は、有明海沿岸道路の福岡県の起点となる熊本県と福岡県の県境にかかる橋でした。同じ県境の有明筑後川大橋を監理技術者として担当させて頂けることに縁を感じ、有明海沿岸道路の福岡県区間の集大成となるこの工事を「無事故無災害で完成させたい」「皆さんに喜ばれる橋を作りたい」との思いで、この工事に携わって頂ける皆さん・地元の方への感謝の気持ちを忘れず、明るく楽しい現場づくりを常に心掛けました。

当時の苦労

知恵と技術で多数の課題を解決
工事受注直後から計画担当として、現地工事着手後は監理技術者として最初から最後まで担当させて頂きました。受注後に発注者より送出し方向を当初計画の起点側から終点側に変更するよう要請があり、先に架設した補剛桁上で送出し桁を地組することになり、橋梁構造と設備計画の大幅な見直しを実施しました。また、有明海で盛んな海苔漁の重要航路ゆえに、航路閉鎖が難しく、通常の送出し施工の1日の施工量の2倍以上の長さを送り出す必要がありました。ここに書き切れないほど多数の課題がありましたが、諸先輩方、協力会社の方々の知恵と技術を集結して無事に工事を終わらせることができました。

完成を迎えて

歓喜の声に報われた苦労
有明筑後川大橋の特徴である、単弦のアーチリブが支点上で分岐する構造を2連のアーチ橋で国内初採用した「鋼4径間連続(2連)単弦中路アーチ橋」を無事に完成させ、有明海沿岸道路の代表的な大プロジェクトに監理技術者として携われて、関わった皆様に感謝しております。地元の方々の喜ぶ声や、完成に伴う地域の盛り上がりを感じ、色々な苦労が報われた気がしました。橋梁技術者として、また1つ新たな橋梁を地図に刻むことができました。今後も心に残る橋づくりに携わりたいと思います。

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