浮体構造物は、海面に浮遊しているため干満に対する追従性があり、船舶乗降時の接続部の構造物として優れていますが、常に波により動揺が発生する環境条件にあります。そこで、安全かつ身体的負担の少ない方法で船舶に乗降できる、揺れにくい浮桟橋が有効となります。揺れにくい浮桟橋は、船が通過する時の航走波に対して、動揺低減をはかる構造物です。揺れにくい浮桟橋を実現する技術のひとつとして、当社が開発したMSボードがあります。MSボードは、一般的な浮桟橋の断面に、フィンを設置して、フィンと浮体との間に小さな隙間を設けることにより、波上側から押し寄せる運動エネルギーを、隙間を通過する際に生じる渦の運動に変換させることでエネルギーを吸収・散逸させて、動揺低減させる構造となっており、簡易で効果に優れた構造と言えます。