長大橋・大規模橋梁施工技術
海や川や谷を跨ぐ長大橋は、生活環境を劇的に改善し、暮らしを豊かにすることが可能な社会インフラです。
長さが200mを超える長大橋は、一般橋梁とは異なる特殊な技術が要求されます。
関門橋に始まり、明石海峡大橋、多々羅大橋、近年では女神大橋、新湊大橋などの長大橋建設に携わってきた当社は、多数の長大橋建設ノウハウを保有しています。
当社の技術が、人々の暮らしをより豊かにできるとの信念のもと、日々技術革新に挑戦しています。
また、ケーブルクレーン架設、フローティングクレーン架設などは、架設地点が海峡・河口部や、急峻な山岳地帯などの特殊な環境で採用されています。
長年培ったノウハウにより、より安全で高精度な橋梁建設を実現します。
架設工法
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大ブロック立て起こし架設
吊橋・斜張橋の主塔等高さのある構造物は、そのままでは大ブロックに地組立できません。
そのため、工場内で平面的に地組立を行い、架設時に本来の姿勢となるよう立て起こし作業が発生します。
立て起こしに際しては、刻々と変化する吊姿勢・吊荷重等を見通した綿密な施工計画が必要となります。-
吊橋主塔 豊島大橋 -
斜張橋主塔 新湊大橋
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バランシング架設
従来、斜張橋の主桁架設は側径間を架設完了後に中央径間の架設を行う張り出し架設が一般的でした。
しかしながら径間長の増大に伴い、側径間の先行架設が難しくなり、当時世界一の斜張橋である多々羅大橋の施工においてバランシング架設を採用しました。
主塔部から中央径間、側径間の両側にバランスをとりながら、正にやじろべえの様に桁架設を進める方法です。
架設途中の形状管理、耐風検討など高度な技術力を要する架設工法です。-
斜張橋補剛桁 多々羅大橋 -
斜張橋補剛桁 女神大橋
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直下吊り架設
吊橋補剛桁は瀬戸大橋、明石海峡大橋に代表される補剛トラス吊橋と来島大橋、白鳥大橋等に代表される補剛箱桁吊橋に分けられます。
そのうち、直下吊架設は補剛箱桁吊橋に適用される、架設位置直下の台船から橋桁ブロックを直接吊上げるという代表的な架設工法です。
当社は、第二ボスポラス橋の工事で得たスイング架設の知見を基に、白鳥大橋、来島大橋等多くの吊橋を施工してきました。-
吊橋補剛桁 豊島大橋
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ケーブルクレーン架設
一般的なクレーン車が近寄れない河川上、急峻な渓谷等における橋梁架設用の特殊なクレーン(ケーブルクレーン)を使用した架設工法です。
当社では最大30t吊の仕様にも適用できる各種機材を保有しており、様々な箇所でケーブルクレーンによる架設を行ってきました。
中でも広島空港北に位置する広島スカイアーチの架設工事では、吊上げ可能高さ180m、吊上げ能力30t×4系統という大規模ケーブルクレーン架設も経験しています。-
ニールセン橋 諏訪川橋 -
上路アーチ橋 庄川橋梁 -
上路アーチ橋 広島スカイアーチ
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フローティングクレーン架設
海上部に位置する橋梁では、工場等で組み立てた橋をフローティングクレーン(起重機船)と呼ばれる大型の海上クレーンで一括架設する工法が採用されることも多々あります。
架設するブロックは最大数千トンにも達し、吊上げ時、架設時に発生する大きな力や変形を予め計算し仮設備計画に反映する等高度な設計・計画技術が必要とされます。
阪神高速道路向けの西宮港大橋では国内最大級のフローティングクレーン3隻による相吊を無事完了させました。-
鋼床版箱桁橋 九島大橋 -
ニールセン橋 牛根大橋 -
ニールセン橋 西宮港大橋
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台船架設
フローティングクレーンが進入できない河川上橋梁では台船を使用した一括架設が行われる事もあります。
台船上に搭載した橋桁ブロックを潮位の変化、ジャッキ設備、台船への注水などの方法で橋脚・橋台上に架設するものです。
台船搭載時、架設時に大きな変形が発生しますので、慎重な計画が要求される高難易度工事となります。-
複合アーチ橋 太田川大橋
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