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橋ができるまで

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設計から製作・現地据付まで一貫した技術を有する
エム・エム ブリッジの「橋づくり」

鋼橋ができるまでの一般的な流れをご紹介します。
何もないところから巨大な建造物をつくりあげる工程をご覧ください。

橋づくりの流れ

01.材料(鋼材)購入

鋼材メーカーから鋼材を購入する
  • 設計図面を基に必要な鋼材を整理(板取り作業)し、鋼材メーカーから購入します。
  • 購入する鋼材には様々な規格・寸法があるので、受入れ時に検査証明書(ミルシート)と現物を照合確認します。
  • 工場製作途中の防錆を目的として、鋼材メーカーにおいて製鋼直後にプライマー(一次防錆塗料)が塗布されます。
ステンシル(製鋼印字)確認
ミルシートと購入鋼材の机上確認
寸法確認

02.生産情報の作成(原寸)

設計図面から工場製作に必要な情報に展開する
  • 設計図面から工場製作に必要な情報に構造展開処理する作業で、加工(けがき・孔あけ・切断)や組立等の各工程で使用する加工図を作成したり、数値制御(NC)された工作機械への入力データを作成します。
  • 完成時の形状・寸法で表示されている設計図面を基に、死荷重によるたわみ(製作そり)や溶接による収縮ひずみ等も考慮する必要があります。
  • 以前は床書きによる実物大の図を作成し、部材の製作寸法を決定したり製作上の支障有無を確認していました(原寸作業)が、情報処理技術が発達した現代はこれをコンピュータ(自動作画機)を利用して行っています。
原寸情報
自重によるたわみ図

03.けがき

生産情報を鋼板に書き込む
  • 作成された生産情報を基に、鋼板表面に切断線、孔あけ位置、材片の取付位置等、製作必要事項を書き込む作業です。
  • 基本寸法や断面寸法の数値を基に、NCけがき機で直接鋼板にけがきを行うことが一般的ですが、小型の鋼板や表面のみNCけがきを行った時の裏面のけがき等には、定規や型板を用いて手作業で行うこともあります。
  • プライマーは溶接品質に影響を及ぼすことがあるため、材片取付け位置のプライマーはNCプライマー剥離機や手動のベルトグラインダー等を用いて予め除去します。
NCけがき機1
NCけがき機2
NCプライマー剥離・NCけがき後
NCプライマー剥離機1
NCプライマー剥離機2

04.切断

鋼板から各材片を切り出す
  • 鋼板から各材片を切り出す作業で、鋼板の切断方法はガス切断、プラズマアーク切断、レーザー切断があり、板厚や切断形状により使い分けます。
  • 自動切断機やNC切断機を用いるのが一般的ですが、手動ガス切断を行う場合もあります。
NCプラズマアーク切断
自動ガス切断(開先加工)

05.孔あけ

ボルト接合部の孔あけを行う
  • 鋼板にボルト接合用の孔をあける作業です。
  • 架設現地では工場製作された各部材を高力ボルトで接合することが一般的です。美観の考慮や構造強度的な制約から溶接で接合することもあります。
  • 孔あけに使用する穿孔機はガントリードリルやボール盤がありますが、いずれもNC穿孔機を使用して高精度に孔あけすることが必要です。
NC穿孔機1
NC穿孔機2

06.パネル製作

フランジやウェブ(腹板)のパネル製作を行う
  • 鋼桁を構成するフランジやウェブに補剛材やリブを取付・溶接してパネル化する作業です。
  • 安定した品質が確保できる自動溶接機やロボット溶接機を用いることが一般的です。
  • 溶接により生じる変形(ひずみ)はガス炎やプレス機で矯正します。
パネル組立
パネル溶接1
パネル溶接2

07.組立・溶接

パネルを組立・溶接して部材を製作する
  • パネル化されたフランジとウェブを組立・溶接して部材を製作する作業です。
  • 溶接材料は、鋼材の材質や板厚、溶接姿勢により適したものを選定します。
  • 溶接方法には、ガスシールドアーク溶接やサブマージアーク溶接等があり、これも鋼材の板厚や溶接姿勢により適した方法を選定すると共に予め設定された条件(電流・電圧・速度)で行います。
  • 可能な限り自動溶接機を使用しますが、狭隘な箇所等は手動で行います。
  • 溶接姿勢は品質が確保しやすい下向きまたは水平を原則とし、被溶接物を回転させてその姿勢を確保します。止むを得ない場合は立向きや上向きで溶接することもあります。
部材回転
部材組立
部材溶接(ロボット)
部材溶接(手動)

08.非破壊検査

溶接部の欠陥の有無を確認する
  • 溶接部の外部(表面)は目視等で外観確認すると共に専用計測ゲージを用いてサイズ等も確認します。磁粉探傷試験や浸透探傷試験を併用する場合もあります。
  • 溶接部の内部は放射線透過試験や超音波探傷試験を行います。
超音波探傷試験

09.精度確認(仮組立)

製作完了した部材を仮組立する
  • 製作完了した部材を仮組立して現地架設時に支障がないことを確認する作業です。
  • 検査路や排水装置等の付属物も取り付けて確認します。
  • 単品部材の計測データを基に、専用ソフトを使用してパソコン上で数値仮組立(シミュレーション仮組立)する場合もあります。
シミュレーション仮組立のための部材精度確認(デジカメ計測)
仮組立1
仮組立2

10.防食・防錆

防食・防錆のため塗料等で橋体を被覆する
  • 鋼はそのままでは錆びるので防食・防錆のため塗料等で被覆する作業です。
  • 重防食塗料で塗装することが一般的ですが、現地での塗替え塗装が困難な橋梁は、より防錆効果の高い金属溶射や亜鉛めっきを施工する場合もあります。
  • 鋼板の切断面や溶接部の錆およびプライマーを全て落とすために製品ブラストを行った後に、適正な塗装間隔を保ち塗り重ねを行います。
金属溶射
塗装1
塗装2
膜厚確認

11.輸送

工場製作完了品を架設現地に輸送する
  • 製作工場から架設現地に輸送します。
  • 大型トラックやトレーラにて陸上輸送することが一般的ですが、一度に大量に輸送する場合や陸上輸送ができない部材サイズの場合は鋼船や台船にて海上輸送することもあります。
  • 海上等に架設する大規模な橋梁は、工場にて大ブロック化(地組立)したものを起重機船や大型台船で輸送することもあります。
海上輸送(起重機船・台船)
海上輸送(鋼船)
陸上輸送(トラック)

12.架設

様々な工法を駆使して橋を架け、橋面(床版や付属品)を仕上げる 
  • 地形や交差条件により様々な工法を駆使して橋を架けます。
トラッククレーンベント架設工法
制約条件がなければクレーンベント工法
(新山下駅橋梁/宮城県山元町 東日本大震災の復興工事)
トラベラークレーン架設工法
クレーンを設置できなければ、桁上からトラベラークレーン架設工法
(留萌大橋/北海道開発局)
送出し架設工法
河川・道路・鉄道を跨ぐなら送出し架設工法
(相模川橋/中日本高速道路)
ケーブルエレクション架設工法
深い谷に架設するならケーブルエレクション架設工法
(庄川橋梁/北陸地方整備局)
FC一括架設工法
海に架けるなら大ブロック一括架設
(九島大橋/愛媛県)
直下吊り架設工法
吊橋の補剛桁なら直下吊り架設工法
(豊島大橋/広島県)

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